シスターフッドと百合
※全て個人の見解です。誰にとってもそうであるわけではなく、決して考えを押し付けるものでもありません。
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シスターフッドの物語を「百合」と言われるのがきらいだ。
自分のなかでは明確に違う。
百合はふたりを”女性”としてみた外部からの視線というイメージで、一方シスターフッドは人間と人間のつながりだ。
優劣があるわけではなく、本質が違うと思っている。
私の個人的な価値観では、人と人の関係で一番絆が強いものは「恋愛」ではない。
「恋愛」は基本的には衝動的で、持続性があまりないものだと思っている。(例外はあると思う)
一方家族(血の繋がりは問わない)や友人、そういった名前の着いた関係でなくてもより強い繋がりがある。私にとってはそれが一番つよいつながりで、物語において一番魅力を感じる。
シスターフッドの定義は、広義ではあるものの「肉親を超え、共通の目的を持った女性同士の連帯」というようなもので、後者といえる。感情面のつながりもありつつ、それがなくとも連帯できるより強いつながりだ。
そして「百合」と呼ばれる物語は恋愛感情がベースであることの方が多い。
当たり前だが女性同士の恋愛関係は全て「百合」ではない。BLがファンタジーであり、実際に男性同士の関係と違うのと同様、「百合」は創作物であり、少なからずファンタジー(非現実)要素が入っていると思う。
レズビアンやバイセクシャル、それ意外の(性自認が)女性同士の恋愛関係はどちらかとえば、「シスターフッド」に近いものに感じる。
もちろん中には衝動的な感情のつながりでお付き合いしている人たちもあるだろうし、一概には言えないが、女性にとってかなり生きづらくなってしまっているこの世界で女性同士でいることは、特別なつながりを生むように思う。
関係性に明確な名前をつけることが難しいときがあるように、それぞれがグラデーションであり、それぞれに違うものであると思う。
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私はもともとBLが大好きだった。でも最近は自分の中で飲み込めないもやもやが滞っていて、あまり読まなくなってしまった。それは先に話したことと同じようなことで、でもまだ自分の中で明確な言語化ができないままでいる。
この違和感を極端な例で例えてみると、「ニューヨーク・ニューヨーク」や「きのう何食べた?」を「BL」と一言でまとめられてしまうのにもやもやを感じるような感じ。(さすがにそこまではあまりいなかも…ないかな?)
「アナと雪の女王」が百合だと言われていたことに、私はかなり嫌悪感を覚えていた。アナ雪は公開当時観たわけではなく、かなり経ってから観て、ディズニー作品の中でも随一で好きな作品になった。
彼女たちは血のつながった姉妹であったけれど、あれば明確にシスターフッドでエンパワーメントの物語だった。(いろんな意見があるけど)私はあの物語、特にエルサにとても救われた。
鑑賞後、公開当時アナ雪が「最高の百合」だと話題になっていたことをふと思い出し、怒りににも似た気持ちになったことを覚えている。
私が個人的に恋愛感情を重要視していないというのもあって、あのふたりの関係を恋愛関係に落とし込められた(酷い言い方かもしれないが、自分の中ではこの言い方がしっくりくる)ことに、ひどくもやっとした。
姉妹や血の繋がりに萌えを感じるひとがいるのはわかるし、それを悪いことだとは思っていない。ひとそれぞれ価値観は違うものだから否定したり、同調させようとは思わないけど、わたしは、とても哀しい気持ちになった。
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結局あまりまとまっていない文章になってしまったけど、思考を書き残しておくことに意味がある。はず。
これはあくまで「私にとってのシスターフッドと百合の違いに関するひとつの見解」だ。
誰にとってもそうであるわけではないし、決して考えを押し付けるものでもない。
2022.4.28 byN
2023.5.11 すこし修正
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